ダンススタジオで生徒の親御さんの中にたまにこういう人がいます。
「ウチの子だけ全然ダンスできてなくて。
先生すみません。」
これ、先生にとったらとても違和感なんです。
よその子と比べて自分の子ができてないことに焦りや不安を感じたり、全然できていないことに目を向けている親御さん。
子供のこと本当によく見てますか?なんにも心配することありませんよ!
結論から言うと次のようになります。
・人の成長と上達はそれぞれだから比べる必要はない
・よく見てみると成長してる、見えてないだけ
・ダンスやってない人に出来てないと言われるのは正直嫌だ
上記を詳しく説明します。
この記事を書いているのはダンス指導歴17年の現役ダンスインストラクターです。ダンススタジオを経営して、子供から大人まで幅広くダンスを教えています。
それでは宜しくお願いいたします。
よその子と自分の子のダンスを比べてしまう親御さん
よその子と自分の子供のダンスを比べてしまう親御さんっているんですよね。ダンスを子供に教えていてたまに出くわします。
2テンポ遅れる子のママさん
ダンスを踊っている最中、みんなが踊っている2テンポ後ろを追っかけるように踊る子がいました。
それを見ていたママさんが、
「ウチの子全然出来てなさすぎて。先生本当にすみません。」と頭を下げて謝ってきました。
自分の子が2テンポ遅れることが恥ずかしいのでしょうか。申し訳なくなってしまったのでしょうか。謝ってきました。
「あーちゃんだけ出来てないよ!」というあーちゃんママ
これも親御さんだったら思わず言ってしまうことなのでしょうか。
幼児クラスのレッスンで4人の年長さんが一人で逆立ちできるのに、1人だけ逆立ち出来ない子がいた。
その子のママさんが「あーちゃんだけ逆立ち出来てないよ!」とその子に言ってました。
先生として子供に絶対言わないことなので一瞬ヒヤッとしたのですが
その子はブハハハハー‼️と笑い返していた。
— しん@ダンスの先生 (@dancenoteacher) October 7, 2019
自分の子供を見て「あーちゃんだけ出来てないよ!」と子供に言い放ったママさん。先生として【あなただけ出来てない!】と指摘することなんて辞書にない私だから思わずびっくりしてしまいました。
出来てないと言われた子供はどうですか?嬉しいんでしょうか?
思わず言う言葉に傷ついたりしちゃう子だっているんですよね。
よその子と比べるとデメリットのほうが圧倒的に多い
よその子供と自分の子供を比べる行為は、はっきり言ってやめたほうがいいです。癖でしてしまう親御さんは気をつけてください。
比べられて「出来てない」と言われる子の気持ちの変化
よその子と比べられて「出来てない」と言われてしまうと、子供は本当に自分が出来てない、出来ないものだと思い込んでしまうのです。
子供にとって親は絶大です。自分は出来ないと思いこんでしまうと挑戦することに対して「無理。どうせ出来ない。」と最初から思ってしまう子になります。
先生が「これをやってみよう!」って言うと、やってもいないうちから「無理無理!」と言う子は“出来ない癖”がついちゃってる証拠です。こうなると最初から挑戦していくことの大事さを教えていかなきゃればいけないし、子供の【出来ない】という固定観念をとっぱらう作業をしなければならなくなります。
【出来ないと言われ続けた子の気持ちの変化】
親:「あなただけ出来てないじゃない!」
子:自分だけできてないのか→自信喪失→なんにも出来ないならやりたくない
最初から出来る人なんていません。いたら先生なんて必要ないのです。
比べて落ち込む親御さん
よその子と比べて落ち込む親御さんっているのです。自分の育て方が間違ってたのかとか、なんでうちの子だけ出来ないのかとか自問自答して落ち込む。
落ち込む必要なんてこれっぽっちも無いです。
同じ歳の子だって、筋肉量が違ったり、運動経験が違ったりと最初のスタート 地点がみんな違うんですから。
落ち込む必要なんてないのに、よその子と比べて落ち込んでませんか?
兄弟姉妹でも比べるとよくない
兄弟や姉妹でも比べる行為はよくないですよね。いい意味でライバルとなるなら相乗効果で良くなりますが、片方がめちゃめちゃ才能のある子になると、もう片方は劣等感しか生まれませんからね。
私も小さい頃、バカバカ言われて育ってきたので自分はバカだと思い込んでました(笑)子供は誰でも天才ですよ。意識的に比べて育てることをに注意してください。
ダンスはよその子と比べる必要は全くありません
ダンスの先生の私から言わせてもうらうと、ダンスはよその子比べる必要は全くないのです。
ダンスの先生は尚更比べちゃいけない
ダンスの先生は尚更生徒を比べてはいけない存在です。そして一人に対して出来てないということを言いすぎると良くない傾向になります。
ダンスレッスンでの出来事です。私はそのレッスンでアシスタントに入ってました。新しく入ってきた小学校低学年のA子ちゃんに対して「出来てないよ!」と先生が指摘しました。
よくあることなのですが、その女の子も集中力も続かないしボーッとしている時間も多く、出来ないことがとても多かったんです。何回かレッスンを重ねるうちに、他の生徒の女の子のB子さんが先生に言ってきました。
「この中で誰が出来てない?A子ちゃんってダンス全然出来てないよね?」
「そんなこといいから自分の練習しなさい!」と先生は別の方へ意識を向けさせていました。
レッスンが終わったあとは先生と二人で反省会でした。
「私、A子ちゃんに出来てないって言い過ぎてたかな?B子ちゃんがマネしてくるようになってきちゃた。」
出来てないって言い過ぎたのか、生徒の子がマネしてA子さんを出来てないと言うようになってしまいました。B子さんも悪気はないんですよね。でもこれがエスカレートしていくと危ないです。いじめに繋がってしまいます。
ダンスの先生として子供にダンスを教える身としては、一人の子だけできてないことを気にしちゃいけないです。
プライドの塊の先生
自分の振り付けした作品に情熱があって、ちゃんと踊れていない人に対してイラつく先生もいます。
「あなた、一人だけ全然出来てない!もっと練習して!」
ですが、そういうのはプロに求めるもので子供に求めるものではないのです。自分の作品が完璧になるように、出来てない子を責めるのはやめてください。
そういうのはプロに求めてください。ダンサーを雇って自分のダンス作品を踊ってもらいましょう。
比べちゃダメ!いいことない!
人と比べて良いことなんてないんです。自分は自分です。
ダンスは人と比べて競い合って争うものではありません。自分対自分というのが成り立つものなのです。
ダンスを長く続けてこれたのは人と比べて対決しなかったからだと思います。人と比べるものではなく、自分自信と戦っていくのがダンスの良さなのではないでしょうか?
よその子と比べる人は自分の子の成長が見えてない
よその子ばっかり見ていると自分の子供の成長を見落としがちです。先程ご紹介した2テンポ遅れてる子も、元々は3テンポ遅れるような子だったのです。それがちょっと縮まって2テンポ遅れてるってことは成長してるんです。
「元々はもっと遅れてたんですよー!だから成長してますよ!」っと明るく声かけします。
「そうなんですか?全然わからなかった!ありがとうございます。」
このママさんも、他の子ばっかり見ていて自分の子の成長を見逃してしまっていたのかもしれませんね。というか、2テンポと3テンポはなかなかわかりづらいですね(笑)
でも続けていれば確実に成長してるんです。良く見てないから見えていないだけなんですよ。
ダンスやってない人に出来てないと言われるのは正直嫌だ
ダンスって見てる方とやってる方ではえらい違いです。ダンスを踊っている先生が爽やかに軽々しく踊るダンスも、意外と超難しかったりするのです。
だからダンスをやったこともない人が「出来てない!なんで出来ないの?」とかあーだこーだ言ってくるのはダンス頑張ってる人から言わせてもらえば正直嫌なんです。うるせーです。
あーだこーだ言うなら一度やってみてください。
幼児クラスのダンスくらいなら簡単ですが、小学生レベルのダンスでも激ムズイです。あーだこーだいうのが癖なら一度体験してみて難しさを知るといいです。そうすれば出来ないしんどさが共感できて良いでしょう。
まとめ:ダンスは個々の成長を見てほしいと願う
ダンスは“対自分”です。人と比べる必要なんてこれっぽっちもないのです。
よその子と比べてしまう親御さん、自分の子だけをよーく見てください。小さく一歩一歩成長していますから。
ダンスのレッスンでも他の子と比べたりしてはいけません。その子は笑い飛ばしてたから良いけど大抵の子は落ち込みます。
否が応でも自分でも出来ていないことはよくわかってますから、言わないことです。
人と比べずに出来ることを増やして行くことが大事です😊
— しん@ダンスの先生 (@dancenoteacher) October 7, 2019
私は親御さんにちょっとの成長も報告するようにしています。世のママさんは本当に多忙でお子さんの成長を見落としがちですから。
しかし、私がダンスを教えていて一番嬉しいのは成長です。子供の成長はとても嬉しいし小さな幸せです。ですからどんな小さなことでも成長を感じられたら親御さんに報告するようにしています。
子供は小さな成長を積み重ねて自信に変えていくのです。子供の成長の瞬間を見落とさないようにしましょう。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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