ダンスをやっていると先生に早取りや遅取りで注意されることがあります。
早取りは特に注意されます。
ダンスの早取りと遅取りには何故起こるのでしょうか?
理由と解決策をまとめてみました。ダンスが早取りになってしまう人は一度読んで見てください。
結論は次の通りです。
ダンスの早どりを直すには
・音を聴いてから動く
・頭で考えて踊らない
ダンスの遅どりを直すには
・ジャストタイミングを探ること
・みんなに合わせること
上記を詳しく説明します。
この記事を書いているのはダンス指導歴17年の現役ダンスインストラクターです。高校ダンス部のコーチであり、ダンススタジオ経営者です。子供からシニアまでたくさんの生徒を教えてきました。
それでは宜しくお願いします。
ダンスの早取りと遅どりは何故起こるのか?
ダンスの早取りと遅取りはなぜ起こるのかをわかりやすく説明していきます。理由がわかれば解決策もわかりやすくなります。
早取りと遅取りのとは?
ダンスの早取り(はやどり)と遅取り(おそどり)とはどのような状態をさすのかというと、
音楽に合わせてダンスの振りを踊った時に、
音楽よりもダンスが早くなってしまうことを早取りと言います。
音楽よりもダンスが遅くなってしまうことを遅取りと言います。
早取りは言い換えれば音楽よりも先に振りが走ってしまって音とズレて見えること。遅取りは音楽より遅くダンスを踊って音とズレることです。
つまりはどちらにしても音とズレているんです。
例えるなら一刻堂さんの時差のあるような腹話術みたいな感じです。
吹き替えの口パクとセリフがズレている感じです。
ダンスは音楽に合わせてダンスを踊るものです。
音とダンスにズレが生じていると見ている人は気持ち悪いんですよね。
早取りはどうして直したほうがいいのか?
ダンスをうまくなりたいならば、早取りは直したほうが良いと言います。
なぜかというと、単純に見ていて気持ち悪いからです。
自分では気持ち良く踊れているつもりが、音楽よりも早く動いてズレると見ている人は気持ち悪いのです。
反対に早どりでも良いこともあります。早取りで良いことといえば、キレが出ることです。瞬発的に動いてキレの良さを出すことは可能です。しかしそれだけですね。キレの良さよりも音楽をじゅうぶんにとらえて踊っているほうが良く見えるのです。
キレだけじゃないですからね!ダンスは!
ということで、まとめるとこうなります。
【早撮りのメリットとデメリット】
メリット
・ダンスにキレが生まれるデメリット
・素人っぽく見える
・焦っているように見える
単純に早取りだとダサいなって感覚でいると良いでしょう。
遅どりを直す必要はあるの?
通常はダンスの早取りはめちゃめちゃ注意されます。何度も申し上げたように、見ていてダサいからです。
では遅どりは注意されるのかっていうと、実際のところ早取りは注意されることが多いけれど、遅取りで注意される人はあまりいません。
ダンス初心者は9対1くらいの確率で早取りの人が多いからです。遅取りの人はめったにいないのです。
遅取りすぎて注意されることといえば、ユニゾン(全員で踊ること)で踊る部分ですね。一人だけ遅取りすぎて全体とズレていていて揃えたいときくらいしか注意されることはないのです。そんな人、昔いましたね。やはり100人中1人くらい遅取りすぎる人っていません。
遅取りは良いと思われがちである
発表会のダンスを楽屋でモニター越しにインストラクターたちが見ていました。
二人の女の子が踊っていて、片方はジャストタイミングで音をキャッチしていて、一人は遅取りで踊っていました。
その二人のダンスを見ながらハウスの先生が言いました。
「これね、一見ジャストタイミングの音どりをしている子のほうに目が行きがちなんだけど、遅取りの子の方が音をちゃんと聴いてから動きいているよね。俺はこっちの子のほうが将来上手くなると思うわ。」
このように、ダンサーには音楽を聴けているかどうかさえもわかってしまうのです。
POPダンスも同じように遅取りが良いとされています。
カウントの「ワン」で身体を弾くよりも「ワアン」と聴いて「ア」の部分で弾いたほうが上手く見えるのです。
【遅取りのメリットとデメリット】
メリット
・音をよく聴いているように見える
・落ち着いて踊ってる感を漂わすことができる
・POPなら遅取りは完璧!デメリット
・遅すぎてユニゾンがズレる
・遅すぎて音とズレると気持ち悪い
遅取りのほうがいいのですよ。遅取りなだけで単純に上手く見えるのですから。
ダンスが早取りになってしまう人はこんな人!
早取りになってしまう人はこんな人たちです。当てはまっていたら早取りの原因が理解できます。
頭がいい人
頭がいい人はダンスを頭で考えて踊ります。次の振り付けの動作を頭で常に考えているため「この次はこれ!その次はこの振り!」とイメージしたものを踊っていくのです。
そうなると音を無視して振りがボンボンでくるので早取りになってしまいがちです。
頭がいい人は身体で覚えるようにしましょう。ダンスは考えなくていいのです。
瞬発力系の筋肉がある人
瞬発力系の筋肉がある人はダンスが早取りになりがちです。この傾向は部活の男子なんかが特にです。
「音聴いてー!」と指示していても一生懸命すぎて私の声はなかなか届きません(笑)
筋肉がある人って動作が早いので次の動作にソッコーで動けるので間に合ってしまうのですよ。だから音が余っちゃうのです。
音をじゅうぶん使えるように脱力して踊るといいですね!
真面目な人
ダンスを真面目に取り組んでいる人こそ、気持ちが焦ってしまいます。
ちゃんと踊らなきゃ!と考えていると気持ちがどんどん焦っていきます。そして最初から完璧に踊ろうとして焦った結果、ダンスが早取りになってしまうのです。
焦らず落ち着いて音楽を聴いて踊りましょう。
音を聴いていない人
大半の理由が音を聴いていない人です。振りつけにいっぱいいっぱいになってしまって音をじゅうぶん聴いてないと早取りになってしまうのです。
ダンスは音楽で踊るもの。ダンスは音楽を聴いて身体が動くものなのです。
音楽を無視してダンスはできませんので音をよく聴く習慣を身につけてみてください。
ちなみに遅取りの人はこんな感じです。
・心に余裕がある人
・音楽を聴けている人
早取りと遅取りの直し方のコツと練習方法
早取りと遅取りを直すコツと練習方法を教えます。
実は私も早取りでした。瞬発系の筋肉があって音楽をしっかり聴くよりも早く動いてしまいがちでした。
効果的な直し方のコツと練習方法をアドバイスします。
音をよく聴いて早取りに気づくこと
やはり早取りを直すには音をよく聴くことです。
早どりになりがちな人は音楽に合わせて踊る時に早ど取りになっていないかどうか毎回意識して音楽を聴いてみましょう。
音楽に合わせて踊る前には1〜2度最初から最後まで音楽を流してみると良いです。ダンスの振りにとらわれずにしっかり音楽を聴きましょう。
スピーカーから流した音楽を聴いてみよう
スピーカーから流した音楽を聴いたほうが良いです。なぜなら音楽が伝わる速度がスピーカーからとイヤホンからでは違うからです。スピーカーのほうが遅くなりますから、スピーカーから流した音楽を聴いてキャッチできるようにしましょう。
効果的なのはリズムトレーニングです
リズムというのは一定の感覚を空けて同じ速度を刻むものです。ですからリズムトレーニングを音とズレないように体現できるまでやりこみましょう。リズムをとることが余裕になってきたら、遅くとることを意識してリズムを体現してみてください。
早どりの人は超ゆっくりな音楽で練習してみましょう。
リズムトレーニングについてのページはこちらです。
参考にしてみてください。
【ダンスのリズム感ゼロの人へ】リズム感なんてただの訓練だから誰でもできる
動画を撮って見返す
ダンスは客観視してみるとわかりやすいです。
自分が踊っているダンスの動画を撮って見返してみましょう。私はここ最近まで本番以外の自分の踊っているときのダンスは見返さない習慣でした。しかしそれだと実際に踊っている自分がどうなっているのかわからないんですよね。
何度も動画を撮って見返してを繰り返すと自分のダンスがどのように見えるのか、どこが下手くそなのかがわかるきっかけになるんですよ。
動画に撮って見返すところが自分のダンスの研究に繋がります。
ダンスを撮ることから始まるのです。
遅取りの直し方のコツは人と合わせること
遅取りの人は基本的に「遅どりを直しなさい」と注意されることはないですが、ユニゾンのときに周りとズレてしまうようでは遅取りというのは気持ち悪いのです。
ですから、遅取りがちな人は気持ち早めに音を取れるように意識をして周りに同調するようにしてみてください。
音取りのタイミングが遅くならないように意識しましょう。
音が鳴ってから動くように取ると遅取りになる
先程も申し上げた通り、カウントをかけるときに「ワン・ツー・スリー」と動くのを「ワアン・ツウウ・スリイ」と二文字目にアクセントを置いてみてください。
通常は「ワン・ツー・スリー」の最初の一文字目で身体が反応して動きに入るところをワアンの「ア」の部分、「ツウウ」の二文字目の「ウ」の部分、「スリイ」の「リ」の部分に反応していくのです。
そうすと遅取りになるのです。
この音の取り方はPOPダンスに効果的です。遅取りを意識して練習してみてください。めちゃかっこよく踊れるようになります。
まとめ:早取りNG!遅取りを意識しましょう。
ダンス初心者の方はどうしても早取りになってしまいがちです。早取りはダンスが上手く見えないので遅取りを心がけましょう。とはいえ気持ちが焦るとダンス歴がいくら長くても早取りになってしまいがちです。
早取りにならないように心の余裕を持って踊れると良いですね。常に意識して音楽を聴く習慣を身につけていきましょう。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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