私はダンス指導歴20年、ダンススタジオを経営して県で強豪校のダンス部をコーチして幼稚園や保育園にダンスを教えに行っているダンスの先生です。
最近では幼児さん向けのYouTubeを初めて登録者が2600人を超えました。
社会人HIPHOPクラスを開講して半年程経った頃、生徒の50代後半くらいの方が声をかけてくれました。
「しん先生は障がい者レッスンとかやってませんか?」
「今までやったことないです。でも興味があります!」
「私の知り合いの所で障がい者レッスンをやってくれませんか?」
この申し出に一つ返事でOKしました。
なぜかというと、私の目標が一つ叶うからです。
私の目標は“全ての人にダンスを教えられる技術の習得”です。
今までの経験上だと幼児さん2歳くらいから小学生、中学生、高校生、大学生、大人そしてシニア世代までダンスを教えてきました。シニア世代にダンスを教えたのはまた別の機会に話しますね。
障がい者ってなると、今まで接点がなかったんですよね。
グループレッスンの生徒の中に自閉症の子やアスペルガー症候群の子がいたりしたことはありますが、知的障害者やダウン症の子にダンスを教えることなどの機会が今までなかったんです。
ということで、今日は以下のことを話します。
・障がい者レッスンってどんな感じ? ・どんなこと教えるの? ・どうやって教えるの?
ということで、興味がある方は最後まで読んでいただけると嬉しいです。
宜しくお願い致します。
障がい者にダンスレッスンってできるの?
障がい者にダンスレッスンをするってなかなかできない経験をすることになりました。
どんなダンスレッスンになるでしょうか?
教えに行っている施設はこんなところ
私が教えに行っている施設は、高校を卒業した若い世代の10代後半から20代前半の子が働く犬カフェ・猫カフェ・爬虫類カフェです。
週に1日朝の10時15分から11時までの45分間のダンスレッスンをします。
レッスンが終わるとみんな動物のお世話やお仕事をするのです。
障がいはみんなそれぞれだって気づきました
施設に行ってみんなと話していると気づいたのが
障がいってひとりひとり異なるんですよね。
って当たり前だろ?って言われたらそうなんですけど、今までそんなに障がい者と関わる機会が少なかったので、ダウン症の子がいたり、知的の子がいたりと様々なんです。
それともう一つ大事なことがあります。
片手が不自由、片足が不自由、両手は使えるけど車椅子の子など、動かせる部分がみんな違うことに気づきました。
四肢が不自由の人にどんな楽しいレッスンができるかどうかっていうのが障がい者レッスンの課題になりました。
障がい者レッスンはどうやって教えたらいいんだろう?
レッスンをやっていて、自分ができないことがあるってどんな気持ちなんだろうな?って考えるようになりました。
例えばですが足のストレッチをやっているときに足が不自由な子はできないじゃないですか。そういうのって指導者側がちゃんと配慮すべきなのかなって。
でも、知的障害で四肢は動かせるような子もいるわけですよ。
だから指導の軸をどこに置けばいいのか考えながら指導をすることになりました。
この答えは未だに模索中です。
レッスンは幼児レッスンの延長のような感じでやると良い
レッスンは幼児レッスンを応用していくようにしました。
まずは音楽に合わせて楽しく体を動かすこと、リズムに乗ること、みんなで一つのダンスをやることを教えるために、幼児クラスのダンスの振り付けをすることにしました。
障がい者レッスンの様子
障がい者レッスンを受けている様子はこんな感じです。
書いてて改めて思ったけど、面白いです。
ダウン症の子は音をかければハッピーダンス!?
ウォーミングアップのために音楽をかけるとダウン症の男の子が踊り出しました。
スピーカーの前にノリノリで腰をフリフリ。
長身180cmの自閉症の男の子は両手で肩を交互に叩きながら部屋中を駆け回ります。
多動症で自閉症の男の子は首を傾げながらワー!っと言い歩き回ります。
なんともカオスな現場だなと笑いながらレッスン開始です。
そんなカオスな現場でも、5~6人の子がダンスを楽しく受けてくれました。
ウォーミングアップもアイソレーションもリズムトレーニングも見よう見まねでやってくれます。
何回か慣れてくるとステップも覚えられるようになってきました。
最初に教えたのはボックスステップ。
右足と左足がどっちかわからなかったり、左足が不自由だったり色々いますが、その場の雰囲気がワイワイとして楽しくなりました。
1列に並んでチューチュートレインをしたこともありました。
全然回らないしシュールで面白かったです。
自閉症の男の子
長身の自閉症の男の子は音楽が好きなのかいつも「もう一回!もう一回!」と同じ曲を何度もかけて欲しいと頼んできます。
みんなの休憩時間にちょっとだけかけてあげると首でリズムを取りながらご機嫌な顔をしています。
あんまり何度も曲をかけてテンションを上げ過ぎるとパニックになるらしくほどほどにしています。
こういうのも障がいについてわかってないといけないですね。
ある日のこと、いつも踊ることはなかったのに突然レッスンに参加した時は驚きました。
真似っこして踊ってみんなに褒められている姿を見て嬉しくなりました。
監督とあだ名をつけて呼んでいる子
ダンスレッスンをいつも椅子に座って眺めてるダウン症の女の子がいます。
その子は超絶シャイな子で会話をしたことはないのですが、いつもレッスンに行くたびに
「おはよー!」ととかレッスン中に「監督もやる?」って勝手に監督とか呼んじゃってるんですけど、声をかけています。ブンブン首を横に振って断ってきます。
体を動かすことが恥ずかしいんですって。
いつか一緒に踊ってくれる日が来ればいいなって希望です。
障がい者ダンスレッスンでたどり着いたのは跳ばないダンスレッスンだ!
障がい者レッスンを半年程やってたどり着いたのは
“跳ばないダンス”です。
幼児クラスの振り付けを教えてたんですけど、幼児クラスのレッスンは両足でジャンプをしたり片足でケンケンしたりする動きが多かったんですよね。
ある時右足の不自由な子がダンスでジャンプをしてレッスンが終わった後に「足が痛い」と言って椅子に座っていました。
この振り付けだとダメだと思いましたね。
私のダンスレッスンは安心安全が根底にあります。ダンスを上手くさせたいけど怪我の予防も絶対です。
ということで行き着いたのがジャンプをしないダンスです。これはシニア世代もおすすめです!膝に負担がかかりません。
後日嵐のハピネスという曲に合わせて跳ばないダンスレッスンをしたらみんな大喜びでした。
知ってる曲だったからか「イェイ!イェイ!イェ〜イ♪」と歌いながら踊っていましたね。
まとめ 障がい者レッスンは工夫すればみんなで楽しいレッスンができます
障がい者レッスンは楽しいです。ワイワイ楽しいレッスンができます。
みんなでダンスの楽しさの共有ができるし、練習したことを見せてくれたり
ちょっぴり成長した姿も見られて嬉しいです。
ということで、ダンスインストラクターの皆様、障がい者レッスンに興味がありましたら是非やってみてくださいね。笑えますよー!
最後まで読んでくださりありがとうございます。
ではまた!
コメント