子供にダンスを教えることについて真剣に考えてみました。
結論からいうと、
子供にダンスを教えるときに先生は、
・忍耐力
・余裕
があれば、子供にとってのびのびダンスが出来て良い環境ができます。
上記を詳しく説明していきます。
この記事を書いているのは、ダンス指導歴17年、現役のダンスインストラクターでダンススタジオを経営しています。
それでは宜しくお願いします。
子供にダンスを教えるには
大人にダンスを教えるのは正直言って簡単です。なぜなら大人はダンスの先生の気持ちを汲み取ってくれるからです。
【大人にダンスを教える時】
・先生がやりたいことがわかる。
・わからなくてもとりあえず動く。
・わかったふりして動く。
大人はとにかく先生が教えたいことや、やりたいことを汲み取ってくれるから先生としてはとてもやりやすいんです。
子供はそうはいきません。何しろわからないことはわからないですから。
子供は“わかってる風”を装えない
子供にとったら世の中の半分以上、いやそれ以上わからないことだらけなんです。だから“わかってる風”を装えないんです。わからないことは大体顔に出ちゃってて、“わからない顔をしています”
先生のやりたいこと、教えたい事を汲み取ってもらえないのが子供です。まあ逆に言うと、子供が大人の空気読みすぎてても気持ち悪いですよね。
【子供にダンスを教える時】
・“わかってる風”を装えないからわからない顔になる
・わからないからダンスは止まる
・わからないとつまらないしストレスたまる
・わからないから辞めたくなる
わからないことを続けることこそストレスですよね。そんな面白さもわからないことを人間は時間を割いてやらないです。だったら楽しいことに時間を費やしたくなってしまいますよね。
わかることって楽しいに繋がるんです
子供にとって、わかること、知らないことを知ることって後々楽しいって感情に繋がっていくのです。
勉強はわからないからつまらないけど、やり方がわかると面白い!
社会の仕組みもわからないから興味がないけど、わかったらなるほどなってどんどん知りたくなります。
興味を持って取り組むことは何だって楽しいです。勉強もダンスも。だから楽しいに繋げるためにはわからないことわかるようにしなければいけませんね。
わからない→つまらない or 興味ない
↓
わかるようになる
↓
興味が湧く
↓
楽しいからやりたくなる
わからないことや疑問に思うことが見つかれば超ラッキー
子供の頃って何でもわからないから「なんで?なんで?」が多いですよね。親御さんにとっては超絶めんどくさいとは思います。めんどくさいとよく親御さんが言うのですが、わからないことや疑問に思うことがあればラッキーです!
わからないことをわかるまで探求すればいいだけで、興味を深掘りできます。
質問がある人〜?って言って挙手しても、わからないことがわからないって人。
大人のレッスンでよくいますが、思考停止している状態なのでわからないことが何なのかわかってから挙手して欲しいものです。思考を止めてダンスしてうまい人は生まれてからずっとダンスやってる人だけです。
大人になってダンスうまくなりたかったら自分で考えるべきことはめちゃくちゃあります。「なんで?」と疑問に思ったことはどんどん探求していきましょう。
子供にわかりやすいってどういうこと?
では子供にわかりやすいって思うようなレッスンってどういうことでしょうか?
私は次のことに気をつけています。
・なるべく難しい言葉を使わない
・同じことを何回も言う
この2つの点を意識することで子供の教え方は格段に上手くなります。
子供に難しい言葉を使っても伝わらない
子供の時の記憶を辿ってみると、大人の話してる内容を聞いているのに何のことを話しているかわからなかったです。難しい言葉が多すぎて、理解できないのです。
子供にダンスを教える時に難しい言葉を使う必要はないんです。ゴールは子供がわかることですから。
でも無意識に子供にわかり辛い言葉って結構使っているものです。
なぜか全員集合が遅い!?
幼児クラスのレッスンの最初の挨拶をする前に生徒を自分のところに集めます。
「全員集合!」っと大きな声で幼児ちゃんたちを集めます。ちょっと時間がかかるんですよね。それがある時わかったんです。
幼稚園でダンスをする授業を任された時に幼稚園の先生が、
「はい、みんな、あつまれ〜!」って笑顔で手招きしていました!
あ、これか〜!と閃きました。
なんとなく「全員集合」という言葉を使っていましたが、幼児さんたちからしたら何のこっちゃですよね。「みんなあつまれ〜!」の方がダントツでわかりやすい!
それからは幼児さんたちのレッスンでは笑顔で「みんなあつまれ〜!」と声かけしています。
難しい言葉をなるべく使わないように気を配ってみましょう。そうすれば伝わるのが早くなります。
ダンスの先生に必要なのは忍耐力と余裕
子供にダンスを教える時に先生は忍耐力と余裕が必要になります。
子供には100回同じことを言って1つ伝わると思ってちょうどいい
私が提唱するのは、子供には100回同じことを言いましょう!ということです。
1回で出来るようになる人なんていませんから。
もしも子供が1回でなんでも出来るようになったら世の中のママさんたちはどれだけ楽になるでしょう。
1回で言われたことが完璧に出来る新入社員がいたらどれだけ上司の方は楽なのでしょう。
どこの現場でそうです。人に教えることには忍耐力、人を育てるには時間がかかるのです。
だからダンスの先生も100回同じことを言い続けましょう!
言い続ければどれだけストレッチが大事なのか、どれだけ基礎が大事なのかがわかるようになります。わかるというか刷り込んでいくと身体に染み付いていきます。
その他にも、挨拶ができない子だって100回繰り返せば挨拶してくれるようになるんです。習慣化のようなものです。しつこいしお節介かもしれませんが、それくらいやってちょうどいいんです。
先生が諦めたらそこで終わるってこと
もしも先生が100回言うことを諦めてしまったとします。そしたらその生徒はそこで終わりなんですね。
誰かが言ってくれるだろうと思ってパスすればそこであなたの教えも終了です。
100回言って伝わらなかったら200回言ってみてください。200回言ってもわからなければ300回言い続けます。301回目に響くこともあれば、10年経って響くこともあるのです。
先生として教えることに終わりはないと私は思います。諦めないで続けてください。続けられる人こそ先生です。
先生には忍耐力が必要です。
余裕が教えることを面白くする
先生に必要なもう一つのスキルは【余裕】です。余裕が教えることを面白くしていきます。
知識も心も余裕を持つことが大前提
先生が生徒に1つのことを教える時に10個の引き出しがあると良いでしょう。何故ならば1つのことを教えるのに1つの角度から教えてわかる子もいればわからな子もいるからです。10個の引き出しを使って「これがダメならこれでどうだ〜?」と多方面からあれこれぶつけていくと理解してくれるのです。
これが知識としての余裕です。
心の余裕というのは、思うようにいかなくてイライラしたり自分の感情をコントロールできなくならないようにするということです。
子供が言うことを聞かなくてイライラしたり、イライラした感情のまま子供と接するのは子供の環境にとって良くないです。子供は何も言いませんが、そういうイライラを察知しますから。
どうにもならなくてもたまには「まいっか!どうにかなるか!」ってちょっと思ってたほうが良いのです。
これが心の余裕です。
まとめ:遊んでるけど教えてるみたいな環境を作る
ダンスってまずは楽しいってことろから私は教えていきたいです。楽しいって思って興味が湧いて、もっと上手くなりたいと思って基本を深掘りしていきます。
だから最初は遊んでるみたいな環境を作って、でもこれ今めちゃめちゃ教わってるんだぞーっていうレッスンを目指しています。余裕があって、笑いあえたら最高です!何度出来なくても先生は諦めませんよ。
諦めたらそこで試合終了ですよ(安西先生)
私も教えることを諦めません、できるようになるまではね。
余談
余談ですが、なんでもかんでも二言目には「わからないなぁ」と言ってくる小3男子がいます。
先生:「休みの日に何してたの?」
小3男子:「ホテル行って泊まった〜!」
先生:「何県に行ったの?」
小3男子:「わからないなぁ」
いつもこんな感じです(笑)いつかわかる日が来ると信じています。そして会話がもっと弾むことを夢見ています。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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