【ダンスの先生が考える】ダンサータダ働きの将来について

ダンスの先生

フリーランスの人に「タダでやってくれない?」とお願いするのは、

「あんたの技術にお金は払えないよ」と相手に言っているようなものなのです。

 

タダ働きさせちゃいけません。

なぜならば結果的にダンス業界の衰退に繋がっていってしまうからです。

 

理由は次の通りです。

①ダンサーやりたい人が減る

②次世代のダンサーが増えない

③ショービジネス低迷

 

上記を詳しく説明していきます。

 

この記事を書いているのは、ダンス指導歴17年の現役ダンスインストラクターでダンススタジオのオーナーです。

 

ダンサーのタダ働きとか、行き着く先は餓死ですよ。

ダンサーのタダ働きはやめようってこと

「勉強できる人は大学にいけ。勉強ができなかったら手に職をつけなさい。そしたら一人分くらいは食べていけるから。」

私が進路に迷っている生徒たちにいつも伝えてます。

手に職というのは技術のことですね。ダンサーも勉強というよりは技術のほうの職業だと言えます。

技術の職業 目に見えない価値

技術職というのは、美容師、ネイリスト、ヘアメイクアーティスト、作家、音楽家、機械技師、大工、左官、デザイナーと色々あります。

技術職の中でも物質が残る職業と、残らない職業があるのです。

例えば、

美容師さん→髪を切る技術→ステキな髪型が残る

作曲家→音楽を作る技術→優れた音楽が残る

大工さん→家を作る技術→家が残る

 

このように物質が残る技術に対しては対価がつきやすいです。

音楽家に無料で歌作って〜!と依頼する人はなかなかいないでしょう。

ダンサーの技術は目に見えても残らない

一方で、ダンサーの技術について考えるとどうでしょうか?

ダンスを踊る→踊るスキル・技術→物質が残らない

踊ることも目に見えている技術なのにも関わらず、物質が残らないです。

物質で残らないモノに対しての価値を測れないから技術にお金が発生しにくいのです。

ダンスは芸事です。芸事でお金を稼ぐのはとても難しいのです。

ダンスを教えることは物質が残ります

しかし、ダンスを教えるということについては物質が残ります。

 

ダンスを教える→教える技術→生徒のダンスが上達する

 

教えるという技術においては学校の先生と同じスキルです。ダンスが上手くなる生徒が物質としての価値となります。

この教えるという技術の価値を下げてはいけないのです。

ダンサーがタダ働きさせられちゃう原因

ダンサーがタダ働きさせられちゃう原因は次の通りです。ダンサーの方ならきっと共感していただけるかと思います。

先輩から引き継いだ伝統が繋がりすぎ

ダンスレッスンの代行を、タダ働きをさせられる後輩がいます。

ダンサーの先輩たちがそのまた先輩の伝統を引き継いで「俺らもこうだったから」という謎の伝統のタダ働き。

このような習慣がはびこっていてはダンサーのタダ働きは一生無くならないでしょう。我こそはという先輩ダンサーは是非後輩の指導をしてあげてください。

 

私もお世話になっているHIPHOPの先生でその伝統をぶった切った方がいます。
「俺はああいう風になりたくないから」と私に代行レッスン料を下さった先輩は本当にカッコよかったです。

無料体験もナシ!なぜ無料でやらなきゃいけないの?

よくダンススタジオで初回無料体験レッスン!とかありますよね。たまにあるのですが、ダンスの先生もタダ働きっていうのがあるんですよ。

要はダンススタジオはなんのリスクもなく、全て先生に全負担をかけるということです。

優れたダンスの先生もこんな扱いではダンスで食べていこうなんて思いませんよね。ダンスは芸事であるけど、教えることは芸事ではないのですから。

「今度ご飯奢るね。」もナシ!舐めてんのか?

友達から踊ってほしいと頼まれたりダンスを教えに来てほしいと頼まれてそのお礼が「今度ご飯奢るね。」と言われた場合には「は?舐めてんの?」と言いたいところです。

それは本当に友達ではなくただの面倒くさい人です。

本当に友達だと思っているのであれば、あなたがしていることを仕事として認めてお金が発生するということをわかってほしいものですね。

企業様のイベントについて

この場所で子連れのママさん対象のイベントをするのでスタジオの生徒さんたち踊っていただけないでしょうか?などの問い合わせがたまに来ます。

このような場合、先方は踊るスペースをタダで貸してあげるよ。という意味なのでしょうか。それってスタジオは別に嬉しくもなんともありませんよ。

イベントに出るスタジオ側から言わせてしまうと、イベント出演するため先生、スタッフ全員タダ働きになってしまうからです。

ダンスイベントを利用して集客したいなら、もう少し考えてほしいですね。

ダンサーのタダ働きの将来

このように、ダンサーからダンサーへ、そしてスタジオや企業また友達もみんなダンサーにタダ働きをさせようとする傾向があすのです。

この状況が続くとどうなるでしょうか。

ダンサーって喰えないから辞める

ダンサーがタダ働きをさせられ続けると、ダンサーになっても喰えないんだという意識が伝染し、ダンサーはもはや職業ではなくなりますね。

ダンサーが減るとしばらくは上の世代が儲かるでしょう。ダンス人口が減るわけですから、現ダンサーには仕事が殺到していきます。しかしバブルはすぐに弾けてしまい、たちまち衰退していきます。

次世代のダンサーが増えない

ダンサーが喰えない職業であれば、若者はダンサーを職業として目指したりはしないでしょう。そして次世代のダンサーが増えなければ日本においてダンスの発展はしないに等しくなります。

新人ばかりが増え、年寄りばかりがダンスを教えるようになれば新しいダンスができなくなる。強度の低いダンスやオールドスクールダンスが主流となっていくでしょう。

若者はダンスはシニア世代の流行りと思うようになってやりたがらなくなり、次第にダンスはシニア世代のものになるでしょう。

ショービジネス経済の低下

今や若手アーティストの多くは歌って踊れるのが当たり前になってきました。

しかし若者がダンス離れをするようになればダンス業界の低迷そして日本のショービジネス経済の低下に繋がっていくと思います。

 

このようにダンサーのタダ働きが横行してしまうと、日本のダンスの将来性が欠如していく可能性があります。

 

【ダンサーのタダ働きの先にあるもの】

ダンスは食えないという現実を突きつけられる

辞めていく人が多くなる

若手がいなくて年寄りばかりがダンスを教える

日本のショービジネス衰退

 

今こそダンサータダ働きナシ宣言しましょう!

ダンスを仕事にすると目に見えないものに対価が発生しているのです。ダンサーのみならず、タダ働きは辞めましょう

もう一度言います。タダ働きは辞めましょう。

お金が発生すると勇気を持って言おう!

これは私もなのですが、知人に頼まれた時などにも勇気を持ってこう言いましょう。

「これお金発生するけどいい??」

ダンサーとしての自分の価値を下げてはいけません。
代行する時もそうです。

先輩たちは最初に金額を提示していただけると嬉しいです

後輩の将来を気にかけてあげる先輩であるのなら、後輩に仕事を任すのなら最初に金額提示をしてあげてください。後輩からだとなかなか言いづらいですから。

たとえ少なくてもいいんです。でもダンス頑張ったらお金もらえるんだぞっていう経験って後輩たちにとっても大事です。

どうかお願い致します。先輩方!

お金のためにダンスやってんの?って言われたら

「生きてくためにお金が必要なんだよね。」と言いましょう。

そんなの聞いてくるやつはおバカさんですからね。

生きていくお金がじゅうぶんあるのならこんなに馬車馬のように働いてなんかないですよ。

企業様には言いにくいですが一度OKしたら一生タダ働きですよ

ダンサーを必要としてくださる企業様には大変申し上げにくいのですが、一度タダ働きでOKしてしまえば一生その現場はタダ働きになってしまいます。

もしも金額提示がなかった場合は、

「出演料は発生しますか?」と聞いてみましょう。

自分の身は自分で守るのが個人事業主です。

まとめ:今こそ脱タダ働き宣言を!

私がダンススタジオを創業した時、自分がやりたくないことをA4の紙に書き出しました。その一つに“ダンサーにタダ働きさせない”という宣言をしたのです。創業当初から今までこの理念は変わっていません。まあ、まだお金としては低いと思うのでもっとインストラクター達が稼いで生活できるようにはしたいですね。

しかしお金をいただく以上は責任持ってやる意識は持っていなければなりません。お金=プロとしての責任なのです。

 

目に見えない技術にも価値を!

ダンサーとして生活できる環境を!

みんなでタダ働きを無くそう!

 

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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