【ダンス部】私はダンス部のコーチなのにダンスの振り付けを全くしません

ダンス部

ダンス部コーチの私は振り付けを一切しません。特に全国大会のコンテスト作品とかコーチの私は見てるだけです。

それでも県で優勝したり、全国で10位以内に入ったりしてます。

 

コーチがいなくたっても顧問の先生と生徒だけで強いチームって作れるのです。

 

上記を詳しく説明します。

 

この記事の作者は、ダンス指導歴17年の現役ダンスインストラクターで、ダンススタジオを経営しています。3歳からシニア世代まで幅広くダンスを教えています。

 

それでは宜しくお願いいたします。

ダンス部のコンテスト作品を振り付けしないコーチの誕生

ダンス部のコーチは大学生1年生から始めました。顧問の先生からダンスを教えに来て欲しいと頼まれたのがきっかけです。

はじめは遊び半分で、自分もダンスの練習ができるからと卒業してからも部活に足を運んで生徒達に教えていました。

 

コーチ当初は大会作品の振り付けをしていた

ある日のこと、顧問の先生は3年生女子だけで県大会の作品を作ると決めました。

「残りの2〜3年の男子と女子の1年生のチームは任せたわよ!」っと男子もいる高校なので、寄せ集めチームを任されたです。男子もいる高校は大会に2作品出せました。ということで私も大会作品を作ることになりました。

 

私が任されたのはダンススキル的にもレベル的にも弱小です。男子4人と声だけは馬鹿でかい勢いがある一年生女子たち。

 

そこで私は大会作品の振り付けを全てやりました。笑えるほどのコミカル作品です。

そして大会本番、なんと弱小チームなのにも関わらず、男子と一年生女子たちだけで3位を取りました。3年女子チームよりも好成績を納めてしまう快挙でした。おそらく50チーム以上あったと思います。

 

まあぶっちゃけ弱小チームで1位を狙ってました(笑)
今思い返せば無謀でしたね。

3位入賞は嬉しいけどそれってコーチの実力

大会では3位入賞して嬉しかったです。ですがなんか違和感が残りました。

 

必死になって

テーマを考え、

振りを作り、

構成を考え、

衣装を考え、

 

全部私の力しか使ってなかったんです。

 

生徒達は駒のように頭も使わずに、私の思うように動いてるだけ。返事も良いし、嫌な感じの態度とか、そういうのではありません。

ただ違和感を感じたのです。これって部活なのか、疑問が湧いてきました。

私の考える“部活動”というのは、学校教育の一環で部活動を通しての人間の育成であり、生徒たちの自発や自主性を学ぶ場であります。

なのに生徒達はただの言いなりになり、動いているだけです。将来、部活を通して何を学んだかを振り返ったときに生徒たちに何にも残らない気がしたんですよね。

 

だから大会作品を作るのを辞めてみました。

 

辞めたらどうなるんだろう?なんて、何にも考えてませんでした。

 

「これから大会作品は作らないから!」

「これからは大会作品は作らないから!みんなで頑張って!」

生徒たちは、ちょっと動揺してたかな。あんまり覚えてません。

以来、生徒主体でダンス作品を作っています。コーチの私は見てるだけです。

 

決めることはまず生徒みんなで決める

大会作品ではテーマを決めます。

テーマはダンス部全員が案を出します。その中で良かったものを5つくらい挙げます。それから振りやモチーフの創作をして最終的には多数決で決めていきます。顧問の先生やコーチも意見を言えますが、最終判断は生徒たちのそれぞれのプレゼンと多数決なのでコーチや先生の案が通るわけではありません。

たまに「マジでそのテーマで行くの?」というものだってあります。生徒たちよりダンスの経験値が上なので大体どうなるかはわかるのですが、あえて口出しをしませんし、決めたなら決めた方に向かいます。

 

同様に衣装、音源も生徒たちから出します。大会作品の創作スケジュールも生徒たちと一緒に決めてシェアしていきます。

 

正直言うと生徒たちが作るのは時間がかかるし効率は悪い

振り付けについても同じです。生徒たちが作った振りを見せてもらい、アドバイスするだけです。

正直言うと、生徒達主体のダンス作品の創作はめちゃめちゃ時間がかかります。

4×8を作るだけでも複数のチームに分かれてどれが良いかを決めていくのですから、ダンサーのコーチが4×8を作るのよりも遥かに時間がかかってしょうがないです。

生徒たちが創作している時間は見ながら待ってるだけ。

でも、時間がかかるし効率が悪いけど生徒たちにとったら多くを学べる貴重な時間なのです。ダンスをただ踊るだけではなく、頭を使っています。

そして創作の苦しみを味わうのです。はっはっは(笑)

何もやってないけどちょっとだけやってること

ダンス部のコーチとして何もやってないけどちょっとだけやってることがあります。

それは、【客観視】です。

 

客観的に作品を見て、お客さんの視点がどこに向いていて、どんな風に見えているのかをアドバイスしています。

どうしても自分の教えているチームは主観的に見てしまいがちですが、実際に必要なのはお客さんにはどう見えるのか、どう伝わるのかが大事なポイントになるわけです。

だから客観的に見てしっくりこないところを「こうしたほうがいいんじゃない?」っていうアドバイスだけします。

振り付けしなくても優勝できる

大会作品を振り付けしなくなり、作品作りのアドバイスやスケジュール管理だけやっていますが、県の大会では毎年好成績を納めています。

私が振り付けしていたときは3位でしたが、生徒達を主体として進めていたらなんと、優勝できました。

初めて県で優勝したチームの3年生たちはとてつもなくダンスが上手い子達が揃っているわけでも華があるわけでもないただ平凡な子達でした。

ですが、その子たちの長所を唯一挙げるとしたら“粘り強い”ということだけです。マジでそれだけです。

粘り強いからずーっと練習できるんです。モチベーションを保ち続けてずーっと一つのことに取り組んでました。それだけは本当に凄かったです。

今は何もかも全てぶん投げてる

現在はほとんど何もしてません。振り付けもフォーメーションも全て自分たちでこなしています。

昔は何から何まで作ってお膳立てしていたのに今ではぶん投げて帰るだけのコーチです。生徒たちは自ら考え、自ら行動していきます。

これが社会に出てから必要なことだと思うんです。

 

【自分で考えること】

時間をどうやって使う?

どうやって仲間と協力する?

目標に向けてどっやって取り組む?

 

部活で学んでスキルをつけていきます。そうして大人になった時、自分で考えて行動できる人間になれたら最高ですよね。この信念が私のダンス部コーチとしての軸として存在しているので、今日もぶん投げてとっとと帰るのです。

自ら学ぶ力と仲間と作る楽しさを!

高校の部活動の生徒たちはプロのダンサー集団ではありません。チームとしてのゴール、生徒達一人一人のゴールはどこなのでしょうか。

私はダンス部のコーチとして、生徒たちには部活動を通じて社会に出た時に生かされる社会的スキルをたくさん学んで欲しいです。

こう思うようになったのは、私自身がダンスと部活を通して学んだことが多いからですね。

 

生徒たちにはダンス部を卒業してからも、いろんな場所で輝き続けていくこと願っています。頑張れ生徒たちよ!

 

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