先週ダンススタジアムという高校生の大会が終わりました。
ネット上では審査基準が不当であるかのような発言が目立ちます。
正直言ってうるさいです。
コンテストの審査に文句があるなら出るなって話をしたいと思います。
高校生のダンスコンテストは何のために出るの?
そもそも生徒たちがダンスコンテストに出るのって何のためですか?
賞に入って認められる承認欲求のためでしょうか?
本質はそこではないと思います。生徒たちはダンスコンテストを通して多くを学ぶためであります。
ダンススタジアムについて例を挙げてみると、ダンススタジアムは将来ダンサーとして活躍する子を対象にしたプロダンサーのための大会ではないのです。現役高校生たちが汗水垂らして頑張って出場する舞台なのです。
要するに優勝を目指して取り組むプロセスの中で学ぶ事や経験することが今後の彼らの人生に大きく役立つわけであり、優勝がゴールではないと私は思います。
そもそもダンスって明確な審査基準ってあります?
フィギュアスケートのように、トリプルアクセルをすれば何点、シングルルッツをすれば何点とダンスは技術に点数がつかないのです。それはなぜかというと、ダンスは根本的にスポーツではなくカルチャーであるからです。
近年ではブレイクダンスがオリンピックの競技になって「ブレイキンはスポーツじゃねえ!」と言うブレイクダンサーもいれば「ブレイクダンスが市民権を得た」と喜ぶブレイクダンサーも両方います。ブレイキンは技があるので点数評価しやすいんですね。
しかし、一般的なダンスは点数が決まってないので評価しづらいものなのです。そしてジャンルごとに分かれたら各ジャンルの優劣はつけられません。
ダンスジャンルにおいてHIPHOPよりJAZZのが上だとか、ロックダンスよりブレイキンが上とかそんな概念は一切ありません。
だから勝利至上主義な人にとってはダンスコンテストはストレスフルでしょうね。何をすれば優勝するとかってないですから。
誰だって自分の子供が一番可愛いのよ
誰だって自分の子供が一番可愛いし、自分の子供が評価されないことに憤慨する親御さんって当たり前に存在します。だからコンテストをすれば感情の渦が波立つのです。
お子さんは不当な扱いを受けてるわけではない
コンテストで評価されないからといって、お子さんが不当な扱いを受けてるわけではないのです。うちの子が正しいと言って文句言って圧をかけてくる親御さんはたまにいます。
そういう子に限ってそのうち周りからは認められなくなってしまいますから親御さんは気をつけてください。
ダンスコンテストについて文句ばっかり言ってると、文句が正しいと思ってしまう勘違いする子供も多くいますからね。
アメリカの大会ではお祭り騒ぎだ!
アメリカのダンスコンテストはとにかく盛り上がっちゃいます。日本みたいにシーンと静まり返って見ていません。歓声が湧くのです!
ダンサーとしてお互いのダンスを認め合っている証拠だと思います。ダンスってたとえダンスコンテストだとしてもお祭り騒ぎでいいと思うんですよね。
高校生のダンスコンテストがお祭り騒ぎのように、互いを認め合い交流し、わいわいやれたら最高に楽しいんじゃないかなって想像してしまいます。
だってもしかしたら将来一緒に踊る仲間になるかもしれないし、一緒に仕事をする人になるかもしれないし、夫婦になっちゃうかもしれないし、繋がりを作るのも面白いですね。
もしもダンスコンテストで公平な審査を希望するなら
では、ダンスコンテストで公平な審査というものを希望するなら次のことをすれば納得のいく公平な審査となるでしょう。
ジャンルごとにわけて技でスキル判定する
ジャンルごとに分けてしまえばスキルとして公平な審査ができるようになります。技にも点数をつけて、フィギュアスケートのようにあらかじめやる技を提出しておきます。
例えば、
・HIPHOPならばランニングマンをダンスの中に2×8絶対入れる
・JAZZならダブルを全員が絶対回るところをつくる
・ロッキンならポイントの規定を作ればいいのです。
このようにすればどのチームがスキルがあるか一目瞭然です。
ジャンルをやっているプロダンサーに判断してもらう
ジャンルごとにわけたら各ジャンルのエキスパートである人にスキル判定してもらうと良いでしょう。ダンサーとしてそのジャンルをやっている名の通るダンサーです。そうすれば審査にも納得するでしょう。
各部門が別れるのですから、
HIPHOP・JAZZ・LOCK・POP・BREAK・WACKなど様々な部門に別れて優勝するチームや賞に入るチームも多くなるわけですね!ジャンルを希望するチームが少なければ勝利が近づくわけです。
POPとLOCKをやっているチームはジャンルをどちらかに絞ってもらいます。
フリースタイルというジャンルは紛らわしいので無しにします。
表現力のエキスパートにエンターテイメントのエキスパート
表現力の専門家には俳優さんや伝統芸能の歌舞伎役者さんを、そしてエンターテイメントにはオリエンタルランドの方やプロの演出家さんを入れればいいのです。
一人の意見では偏ってしまいますので公平な審査として3人は必要ですね。
音楽評論家も必要
また、ダンスに音楽は欠かせないので評論家も必要となってきますね。使用する音楽が作品に適切かどうかを判断してもらいます。
音楽によってもジャンルの専門家が必要でしょうね。
公平な審査って必要?
上記がダンスにおける公平な審査ではないでしょうか。これができるのであれば高校生ではなく一般のプロダンサーがチャレンジする大会にしてもちょっと面白そうだと思います。
審査員を雇うだけで莫大な予算が必要になるのでテレビ放送もできるし、スポンサーもつけられるようにすれば良いと思います。あとは一般投票もして人気チームにはアディダスやナイキからスポンサー契約されると良いのではないでしょうか。
このような公平な審査が高校生の大会において果たして必要なのでしょうか?
私が考えるダンスコンテストの意義
私はダンスコンテストで戦うのは過去の自分のチームです。なんというか、他のチームと戦うという意識はあんまりありません。
自分のチームがいかに過去の作品を超えていけるかを常に念頭においているのです。賞が取れなかったらそれは残念ですが、大会や審査基準に文句など一つもありません。
審査結果を元にして、次はどうすれば良いのか考察するのです。ダンスの研究に近いですね。
点数表記は過去の結果と比べられる
ダンススタジアムは5項目の審査基準をもとに、それぞれの点数が出ます。過去の点数を元に、どこが改善点なのかが明確にわかるようになります。
私の教えているチームだと、ビジュアルが圧倒的に低い(笑)これは何故かといいますと、部費から衣装代を捻出しているので、衣装にあまりお金をかけられないということです。一人当たり¥2000〜3000以内でやりくりをしていました。文化祭や他のイベントでも衣装代ってかかりますから一大会としての最低限度でした。
それならばとにかくビジュアル点をあげることを目標にしよう!
そう言ってダンススタジアム用に衣装を出来るだけ見栄えがするように工夫させました。顧問の先生にも「衣装代ちょっとだけお願いします!」と頭を下げて、協力してくださいました。
今回見事にビジュアル点がアップしました!
ダンススタジアムは完成度の高い作品に近づけるようにどうしたらいいのかをちょっとずつ改善していく目安となるです。
完成度の高い作品を作って評価されればやったー!評価されなかったら次はどこを改善しようか考えるだけです。
完璧って作れないのですよ。いつまで経っても。だから追い求めていくのです。
ダンスショーのコンテストって作品力が一番評価される
日本で有名なダンスコンテストであるダンスディライトで優勝したチームの方がコンテストで勝つポイントについて教えてくださいました。
「ダンスバトルではなく、ダンスショーで優勝するには作品力が一番評価される。だからダンスコンテストで勝つには作品力を上げることだよ。」
言い換えれば作品力を上げることで上位が狙えるということですね。
現時点でのダンスコンテストにおいて
現在、ダンスコンテストはキッズも高校生も溢れかえっております。でも、どこもかしこも公平な審査を念頭にはおいてますが、それが公平かどうかって誰がわかるのでしょうか?
そう考えると公平な審査ってない気がします。審査員の心が左右します。
私の恩師の75歳の先生はおっしゃっておりました。
「公平な審査はなくて、上位にいけばいくほど審査員の好みが出ちゃうのよ。」
私もこの意見に賛成です。
結局のところ好みって出ちゃうんですよ。それはダンスがスポーツじゃなくて文化であって表現の方法であって芸術であるからなのです。
だから優勝を狙うならばスキルもダンス作品も圧倒的なぶっちぎりをするか、ダンスコンテストの審査基準を研究するかのどちかですね!
公平な審査を求むのであれば、AIでビデオ審査でもやりゃあ良いと思います。おもしろくもなんともないけどね。
私は勝利至上主義ではないのですが、もし自分のチームをダンススタジアムで優勝させるならば以下の方法を取ります。
・ジャンルを絞る
・オーディションをして下手くそを入れない
・私が振り付けをするもしくはプロの振付師を雇って振り付けする
高校生の大会でこんなのやっても面白くもなんともないですね。コーチとして教えている私が面白くないです。でも面白いと思うようになったらやるかもしれませんが、生徒たちはそりゃ全員で舞台に立ちたいしみんなで協力し合いたいみたいなので今のところ考えてません。
私はとにかく作品とコンテストの研究あるのみです。ははは!
とにかくダンスコンテストに文句があるなら出るなって思う
どこのダンスコンテストだって、主催者側は公平に審査するというのは一番最初に念頭に置いている項目だと思います。JAZZだけ評価しまーす!と謳っているダンスコンテストなんてないし、いかに公平な審査をするかなんて審査する側が考えるべきことなんです。
だからとにかく審査されて評価される場に出場しといて、文句があるなら出るなって思います。スポンサーの一般人がダンスを評価するのが気に入らない?評価する身にもなってくださいよ。
ダンスやったことないけど高校生の日本一を決めるのなんてプレッシャーでも何者でもないですよ。あなたならできますか?プレッシャー最大です。そんな中で評価してくれるんですから。
一般人の目って大事だと思いますよ。こうやってジャンルの隔たりなくダンスチームが出ていて、プロのダンサーであったとしてもどれが良いかの意見は別れるでしょう。私もダンスコンテストのジャッジをしたことがあるのでよくわかります。
それに入賞したチームの高校生だって可愛そうですよ。審査が気に入らないといった時点でその子達を否定してるみたいで、あんまりよろしくないですよ。
結局のところ、現状ではダンスコンテストというのは総合力としてダンスで心を動かされた作品が優勝するのではないかと思います。
ということで、今日は言いたいことを言いまくりました。たまにはこういうのもアリかなと思います。
また来年の大会に向けて研究していきます。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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